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防災歳時記4月6日 かつてサンシャイン60は東洋一のビルだった

 今年の3月7日、大阪で日本一高いビル「あべのハルカス」が開業した(3/7掲載)。

 

 それまで最も高かったのは「横浜ランドマークタワー」であるが、では、それ以前に最も高かった商業ビルを皆さんは覚えておられるだろうか。

 

 今から36年前、1978年の今日4月6日、当時東洋一の高さを誇ったサンシャイン60が池袋で開業した。

 

 サンシャイン60のオープンは衝撃的だった。

 

 ビルの高さは239.7メートルを誇り、60階の展望台は226.3メートルに位置。

 

 東京タワー特別展望台の223.55メートルより上にあるというだけで、当時の人々は度肝を抜かれた。

 

 今では考えられないかもしれないが、地方からわざわざ観光客がやってくるほどの人気で、意外なところでは漫画『キン肉マン』にそのまんま「サンシャイン」というキャラクターも登場している。

 

 現代に喩えてみれば、あべのハルカスやスカイツリーが『ワンピース』にキャラクターとして出るほどだろうか。

 

 1985年に韓国で大韓生命63ビル(249メートル)が竣工するまでは東洋一の高さであり、まさに日本の高度経済成長期や建設技術を誇るシンボルでもあった。

 

地上60階・地下4階で延床面積は19万595平方メートルを誇るサンシャイン60/wikipediaより引用

 しかし、その存在感は徐々に薄らいでいく。

 

 1990年12月に高さ243.4メートルの都庁が竣工し、1993年7月には高さ296.33メートルの横浜ランドマークタワーも開業。

 

 さらに、その後1998年辺りから、いわゆるタワーマンションの建設が始まり、首都圏には50階前後の建物が数多く建てられていく。

 

 今や高層ビルは、展望台に憧れて庶民が足を運ぶ場所ではなく、人が住むスペースに移り変わっているのだ。

 

 むろん都心のタワーマンションは誰でも手が出せるような手頃な価格ではないが、電車で少し離れた賃貸物件ならば決して住めない場所ではない。

 

 まるで高さまでデフレ化してしまったようだ。

 

 新宿から山手線に乗り、新大久保、高田馬場と過ぎていくと、以前は圧倒されたあのビルが、今では高さに目が慣れすぎていて、『もしかしてあれがサンシャイン60…だよな…』と軽く驚くことがある。

 

「父や母の背中がやけに小さく見える」

 

 ドラマや小説で見かけるこの表現、以前は『歳をとっただけなのに、陳腐だなぁ』と思っていたが、なぜかサンシャイン60に似たような感傷を抱くとき、自分でも恥ずかしくて苦笑してしまう。

 

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