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防災歳時記4月12日 マウンダー極小期 地球は温暖化?寒冷化?

天文学者エドワード・マウンダー(1851年 - 1928年)

 今から163年前、1851年の今日4月12日に、ロンドンの聖職者の家に一人の男の子が生まれる。

 

 その子は長じて、キングス・カレッジ・ロンドンに入学するが、卒業はせず、ロンドン銀行に就職した。

 

 しかし銀行も長続きはせず、22歳の時に王立天文台の助手となる。

 

 後世に名を残す天文学者エドワード・マウンダーの誕生である。

 

 マウンダーは何を後世に残したか?それは太陽黒点活動研究の先駆者にして、「マウンダー極小期」の発見者。

 

 マウンダーは17世紀の2人の天文学者ジャン・ピカールとフィリップ・ド・ラ・イールのパリ天文台における太陽黒点観測データを研究する。

 

 その結果、1645年から1715年までの50年間は太陽黒点数が著しく減少し、通常、数万個のレベルで観測されるはずが、数十個のレベルまで落ち込んでいたことを発見。

 

 この歴史的現象が、後に「マウンダー極小期」と呼ばれるようになる。

 ところで、このマウンダー極小期は、中世における小氷期にともなう寒冷期の真っ最中だった。

 

 地球の寒冷化は、巨大火山の噴火などさまざまな要因が考えられるから、黒点活動の減少がどれだけ気候変動に影響したのかは分からない。

 

 しかし少なくとも「黒点数が減少した」→「太陽表面の活動は低下していた」→「地球に届けられる太陽エネルギーの総量は減少していた」ということだけは間違いない。

 

 太陽は11年の周期で活動するが、2008年から始まった現在の第24太陽周期では、観測された黒点の数が予想の半分以下。

 

 このためマウンダー極小期との類似性を指摘されており、今後、地球は小氷期に入る可能性があると予測する研究者もいる。

 

 一方で、地球温暖化は基本的なトレンドで、太陽活動が極小期に入ったとしても、それは一時的に温暖化のスピードを20〜30%遅める効果しかない、と主張する研究者も。

 

 どちらの主張が正しいかは分からないが、地球の温度は様々な要因で、プラスにも、マイナスにも振れるナーバスなもののようだ。

 

 いや正確に言えば、地球の環境バランスは、まさに細いヒモの上で回っている「地球ゴマ(ジャイロ)」のようなもの。左右に少々振れても、ある範囲の中では元に戻る力を持っている。

 

 しかし「元に戻る」とは言っても、地球(地球ゴマ)にとってはちょっとした「ぶれ」も、生物にとっては絶滅するに十分な「振れ幅(温度変化の幅だけでなく、時間的スケールの意味でも)」なのかもしれない。

 

 

「人類がこれだけの文明を獲得できたんだから、この広い宇宙に、もっと高度に進化した生命体があってもおかしくない」

 

 

 多くの人がこう思っても、いつまで経っても「地球外生命体」となかなかご対面できない理由は、存外こんなところにあるのかも。

 

 どこの惑星も、宇宙を自由に飛び回るほどに生命が進化できるまでの時間は与えてくれない。

 

 つまりどの惑星の生物も、そこまで進化する前に、気候変動によって絶滅してしまったのだと…。

 

太陽の黒点活動(出典:NASA)

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