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横浜市大が耳介とへその緒から軟骨を再生する画期的なアイディアを開発

血管内皮細胞との共培養で移植用軟骨を作るヒト軟骨培養法 (提供:武部貴則横浜市立大学准教授)

 ヒトの耳介から採取した軟骨前駆細胞と、胎児のへその緒から分離させた血管内皮細胞を一緒に培養することで、軟骨を効率よく再生させる方法を、横浜市立大学臓器再生医学の武部貴則准教授らのグループが開発した。これにより、頭部の先天奇形、外傷の治療や修復などに役立つ軟骨再生医療の進歩が期待される。

 

 軟骨の発生・再生プロセスに着目した研究チームは、従来血管がない単純な組織だとみなされていた軟骨にも、初期段階では血管が一時的に存在することを発見し、へその緒から分離した血管内皮細胞と混ぜて培養したところ、2日間程度で直径3ミリの血管と同じ構造の組織を作ることに成功した。

 

 この組織を、実験用の特別なマウスの皮下に移植したところ、一時的な血管化が再現されてヒト軟骨に成熟した。耳介から採取した軟骨前駆細胞だけを培養する方法に比べて、へその緒の血管と一緒に培養する方が、2倍から5倍の成功率であることも判明した。

 

 この軟骨組織は凍結保存して移植に使える可能性もあることから、研究グループでは、「全世界で100万人以上存在すると考えられている頭蓋・顎・顔面領域の先天奇形や、外傷やがんによる組織の変形などの患者の治療、修復に役立つ軟骨再生医療につながる」と期待している。

 

 この論文は、9日、米科学誌「The Journal of Clinical Investigation」電子版に掲載された。

 

 

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