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大型台風にも耐える!倒れないイネの謎を解明

台風でも倒れない稲の登場で、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のことわざが通用しなくなるかもしれない!?(frickr@calmin.zaspaさんのアカウントより稲のイメージ画像)

 2週連続で台風に見舞われたこの季節は、稲刈りの時期。多発する台風や集中豪雨にも負けない稲の品種改良につなげようと、東京農工大学などによる研究チームは、倒れにくい品種「リーフスター」の遺伝的特性を解明したと明らかにした。

 

 地球温暖化で大型台風やゲリラ豪雨が相次ぎ、風雨による倒伏被害が増えているため、茎が強くて倒れにくい稲の品種改良が急務とされている。そこで、東京農工大学や農研機構などの研究チームは2008年、「コシヒカリ」と「中国117号」をかけあわせて、強風でも倒れない「リーフスター」を開発した。

 

 通常、稲の茎の強度を増すためには、木や竹に含まれる「リグニン」という成分の含有率を高める方法が一般的だが、「リーフスター」はリグニンの含有量が低いにも関わらず、"最強の稲”と呼ばれるほど、茎が強くて倒れにくい性質を持っていた。

 

 リグニン含有率を高めると、飼料やバイオマスエネルギー用に使う稲の場合、消化性や燃料としての効率を低下させる側面があり、低リグニンでも強い稲は理想的と言える。このため、研究チームは「リーフスター」のメカニズムの解明を進めてきた。

 

 その結果、「リーフスター」ではリグニンを合成する酵素の遺伝子が突然変異を起こし、茎が太い「中国117号」よりもリグニン含有量が下がることが判明。さらに茎の構造を調べたところ、茎の周りの細胞壁が厚く、よく発達していることがわかった。この形質は「中国117号」ではなく、茎が細く強度が弱くても細胞組織が発達する「コシヒカリ」から受け継がれたことも確かめた。 

東京農工大学論文より

リーフスターと両親の植物体。左からコシヒカリ、リーフスター、中国117号(東京農工大学の論文より)

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