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福島県民の内部被曝は1%未満 チェルノブイリより低い理由は?

 東京電力福島第一原発事故による内部被曝者はどの程度存在するか。東京大学の早野龍五教授らが県民21,785人に対して行った調査で放射性セシウムが検出されたのは、想定よりはるかに低い212人(1%未満)だったという論文が日本学士院のサイトに掲載された。

 

 早野教授らは、2012年3月から2012年11月の9ヶ月間、平田村のひらた病院でホールボディーカウンター(WBC)検査を実施。同病院は福島原発から40~50キロ圏内に位置しており、土壌汚染と内部被曝は比例するというチェルノブイリ原発事故の例から、当初の想定では年間数ミリシーベルトを超える内部被曝が予想されていた。

 

 しかし、実際にセシウムが検出されたのは、全体の1%に満たない21,785人中212人。15才未満に限って言えば、2012年5月からは0%という結果であった。今年1月31日に発表された福島県の検査『1ミリシーベルト以上の割合は0.1%』と、そう遠くない数値である。

 

 今回、特に注目すべき点は、2012年秋に行われた三春町小中学校での検査である。ひらた病院と同じく福島原発から40~50キロ圏内に位置しており、検査対象となる生徒たちには、特別な生活行動や食習慣はない。よって彼らへの調査で出てくる結果はごく自然な数値となるはずで、同町全体の生徒1383人(95%)を測定したところ、その全員からもセシウムは検出されなかった。

 

 なぜチェルノブイリのように土壌汚染と内部被曝が比例していないのか。その調査を範疇外としている同論文では、日常食からの摂取量が低かったためと推察。今後の究明が待たれるところではあるが、現時点では当局による食品出荷の規制が功を奏した可能性が考えられる。

 

 なお、調査は2011年12月から実施され、合計32,811人がWBC検査を受けてきた。が、2012年2月までの最初の3カ月間は着衣による被曝計上が考えられるため、同期間を排除した2012年3月からの21,785人で計算している。

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