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「化石は死後、数週間でできていた!」名古屋大が球状化石の謎を解明

富山県にある2000万年前の地層から採取したツノガイの化石がなぜ球状になるのか、名古屋大学が化石形成の謎を解明した(提供:名古屋大)

 従来、数百万年単位で形成されると考えられていた化石について、名古屋大学は15日、富山県で採取した約2000万年前のツノガイの化石を調べた結果、死後、数週間~数カ月以内の驚異的なスピードで化石になっていたことがわかったと発表した。


 名古屋大学博物館の吉田英一教授や英国地質調査所などのグループは、富山県南部に位置する八尾(やつお)地区にある約2000万年前の地層から、ツノガイを取り巻くように、炭酸カルシウムが球状に固まった保存状態の良い化石を発見。


 この卵のような形をした化石は「ノジュール化石」と呼ばれ、19世紀後半から世界各地で多数発見されている。とりわけニュージーランドでは、大きさが2メートルにも達するものの中から、首長竜の化石が発見されたことで知られるが、なぜ炭酸カルシウムが一点に集中して、球状になるのか、といったメカニズムは解明されていなかった。


 研究グループがツノガイのノジュール化石を多角的に分析した結果、化石を取り巻くカルシウムと炭素は、海底の堆積物に埋もれたツノガイの死骸が腐敗する際に出す酸や炭素が、海水中のカルシウムと反応して形成されることがわかった。


 さらに、海底の堆積物の中では炭酸カルシウムが一点に集中し、4日間で約2ミリの厚さになることが推計された。研究グループの試算では、半径1センチ程度のノジュール化石なら、約20日間で形成されると説明している。


 吉田英一教授は「球状の化石は、ツチガイの死後、数週間~数カ月以内という予想外のスピードで形成されるため、まるで“タイムカプセル”のように当時の状態を残したまま生物の遺骸が保存されるという仕組みが明らかになった」と話している。


 研究グループでは、今回判明した炭酸カルシウムの形成メカニズムを応用することで、コンクリートの劣化防止や、エネルギー資源の備蓄など、地下環境の大規模利用を目指した技術の開発に結び付く可能性があると期待を寄せている。


 なおこの研究成果は、英「ネイチャー」の学術誌「サイエンティフィック・レポート」電子版に掲載された。

化石

地質学的、鉱物学的、地球科学的な解析の結果、ツノガイの死骸から出る炭素と海水中のカルシウムが反応して、一点に集中して球状に固まることがわかった(提供:名古屋大)

ニュージーランド

ニュージーランドでは大きさが2メートルほどの巨大な球状化石も見つかっていて、観光客にも人気だという(提供:名古屋大)

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