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南極で4番目に大きい氷 半年で亀裂広がる 崩壊寸前か?

過去6カ月で亀裂が広がったラーセン棚氷。左は自然な色合い、右側はわかりやすいよう着色した画像(NASA)

 数千年以上前から存在していた南極半島の棚氷が、近年相次いで崩壊している。このうち、南極大陸で4番目に大きなラーセン棚氷の亀裂が、過去半年で急速に拡大していることが、人工衛星の観測で明らかになった。温暖化の影響で消滅が早まる可能性が高まった。

 

 パステルカラーが美しいこの画像は、米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星が撮影したラーセン棚氷Cだ。南極半島の東岸にあるラーセン棚氷は、陸上の氷河や氷床が海に押し出されて陸上とつながった平坦な氷の塊で、かつてはA、B、Cと3つの部分に分けられていた。

 

 しかし地球温暖化の影響で、このうち、2000年以上前から存在していたと考えられていた棚氷Aは1995年、1万年以上の歴史を持つと推定されていた棚氷Bも、その7年後の2002年に崩壊し、わずか6週間で巨大な氷が跡形もなく溶け去った。

 

 米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所では、気象衛星の観測を通じて、最後に残った棚氷Cの監視を続けていたが、先月22日に捉えられた衛星写真の分析によって、棚氷に入った亀裂が過去6カ月間で22キロに広がり、130キロになったと発表した。

 

 割れ目が広がり、幅もさらに深くなると、氷の下から温かい海水が棚氷の中に浸み込んでバランスを崩し、他の部分や棚氷を押している大陸上の氷塊も海に流れ出るおそれがあるという。

 

 1893年、南極の海を航海したノルウェーの捕鯨船が発見したことから、ラーセン船長の名前をとって名付けられた巨大な棚氷は、わずか1世紀あまりで存続の危機にさらされている。

ラーセン

南極半島の先端にあるラーセン棚氷に広がる亀裂は、過去半年で急速に拡がっている(NASA/Terra - MISR)

南極

現在、南極で4番目に大きいラーセン棚氷C(左端の黄色い部分)が崩壊の危機にさらされている。南極半島の先端部がなくなると、大陸全体の10%近くが海に流され、地球全体の海面上昇にも影響が及ぶ懸念がある(Ted Scambos/National Snow and Ice Data Center)

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