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梅毒患者 昨年の2倍近く 2000年以降最多 大都市圏で急増

梅毒の病原体トレポネーマはらせん状をしている(提供:CDC/ Dr. David Cox)

 性感染症の「梅毒」が、今年は昨年の2倍近いペースで増加を続けている。国立感染症研究所のまとめによると、2016年に入ってから11月末までに国内で感染が報告された患者数は4077人にのぼり、昨年同時期の2倍近くに増えて、2000年以降で過去最多となった。

 

 梅毒は病原体が性行為などを通じて、皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染する。感染すると3〜6週間程度の潜伏期間を経て、しこりやコブが現れたのち、血管を通じてじわじわと全身に広がり、数年から数十年を経て末期になると臓器や軟骨までむしばむことから、かつては「不治の病」として恐れられていた。

 

 1943年に治療薬が開発されたことで患者が減少し、今では「過去の病」というイメージが強いが、国立感染症研究所によると、国内では2006年ごろから患者の報告が増え始め、2013年には現行の統計を取り始めて以来、初めて1000人台を突破し、わずか3年の間に4倍に急増。

 

 最新の調査によると、先月末の時点で梅毒と診断された4077人のうち、男性は2848人、女性は1229人。昨年同時期と比較すると、男性は1.7倍、女性は1.9倍に増えた。

 

 患者の数を都道府県別に見ると、東京都が最も多く1524人(前年同期比1.6倍)、次いで大阪府532人(同2倍)、神奈川県257人(同1.9倍)、愛知県230人(同2.3倍)、埼玉県166人(同1.8倍)など大都市圏を中心に急増が目立つ。

 

 感染経路を見ると、男性では660人、女性は275人と20%以上で不明だったほかは、性的接触(異性間・同性間)だった。年齢層では、男性は40〜44歳、女性では20〜24歳が最も多かった。

 

 国立感染症研究所によると、梅毒を引き起こす「トレポネーマ」は、試験管で培養できないため、病原性のメカニズムはほとんど解明されていない。感染初期と末期の間に、一時的に症状が消える期間があることから、診断や治療の遅れにつながると懸念されている。

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