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宇宙に行ったプラナリア 体の両端に2つの頭が出現 帰還後もそのまま

体の両端に頭ができたプラナリア(撮影:諸熊淳治さん/Allen Discovery Center at Tufts University)

 プラナリアという生物をご存知だろうか?川や池など綺麗な水に住み、ヒルのように見えるが、よく見るとマンガのキャラクターのような目を持っていて、全身が消化管になっている。何がすごいって、イモリやミミズを凌駕する高い再生能力。体を切り刻んでもすべての断片が再生し、切った数だけ個体数が増殖するとあって、再生医療の研究者たちから熱い注目が寄せられている。

 

 米マサチューセッツ州のタフツ大学で生物化学を研究する諸熊淳治氏らのチームは、水と空気を1対1の比率で詰めたチューブ状の容器に、プラナリアを入れて、国際宇宙ステーション(ISS)に送り込み、5週間滞在させてから、再び地上に戻した。プラナリアのうち、15匹は、無重力空間が再生能力に及ぼす影響を調べるため、頭部、胴体、尻尾の3分の1ずつ切断したものを用意した。

 

 そして、地球上で同じ期間を過ごしたプラナリアと比較した結果、宇宙帰りのプラナリアは、新鮮な湧き水に移した瞬間にショック反応を起こし、仰向けになって痙攣した後、ピクリとも動かなくなった。この状態は1時間ほど続き、次第に元の姿勢に戻ったが、研究チームは「環境の変化によって代謝異常がもたらされた」と推測している。

 

 また、最も劇的な変化は、宇宙へ行く前に体を三分割にした胴体部分のサンプルで起こった。体の両端に頭が二つ再生された個体が確認されたというのだから驚きだ。これら双頭タイプのプラナリアは、地球帰還後に両端の頭を切断しても、そのたびに両側から頭が再生されたという。

 

 研究チームは過去18年間、1万5000匹近いプラナリアの観察を続けてきたが、これまで二つの頭を持った個体は見たことがなく、地球に戻ってからも1年以上、双頭状態が続いている。

 

 タフツ大学のマイケル・レビン教授は、「重力や地場の喪失、離着陸時に受けたストレスが引き起こした可能性が高い。こんな小さなプラナリアを人間と比べるのは無理があるように思えるかもしれませんが、宇宙での滞在が生物の細胞活動に及ぼす影響を考慮するうえで重要なデータです」と話している。

 

 なおこの研究成果は、科学誌『リジェネレーション(再生)』電子版に13日付で掲載された。

プラナリア

プラナリアを宇宙へ運ぶための容器。バッテリーが内蔵されていて、中の温度を一定に保つ(Allen Discovery Center at Tufts University)

プラナリア

二つの頭を持つプラナリアは、地球帰還後に頭を切り離しても、同じように再生された(撮影:諸熊淳治さん/Allen Discovery Center at Tufts University)

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