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内陸地震起こす地殻変動「フィリピン海プレートが犯人」従来説を否定 産総研

日本列島に地殻変動を引き起こすプレートの動きを再現したアナログ模型(作成:産業技術総合研究所)

 阪神淡路大震災や新潟県中越地震を引き起こした地殻変動をめぐって、従来考えられていた太平洋プレートではなく、南海トラフを形成するフィリピン海プレートの動きが原因だとする説を、産業技術総合研究所のチームが29日発表した。日本列島を取り巻くプレートの運動と地殻変動が論理的に結びついたことで、将来の地殻変動についてもシナリオを描くことができるとして注目されている。

 

 これまで本州は、東北地方の太平洋側にある太平洋プレートが西に向かって早い速度で移動することで、かつての海底が隆起して陸地化し、北アルプスや南アルプスなどの険しい山脈地帯を作り出したと考えられてきた。

 

 東から西へ強く圧縮する地殻変動の動きは、起伏に富んだ日本列島の風景を形成すると同時に、一方では地殻変動によって蓄積されたプレートのひずみのエネルギーによって内陸型の地震を引き起こしてきた。

 

 産総研の高橋雅紀研究主幹は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの運動を示したアナログ模型を作成し、日本列島を載せた大陸プレートの下にフィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込む房総半島東方沖の境界点(三重会合点)に注目して、年に9〜10センチずつ西へ動く太平洋プレートと、年4センチ北西に動くフィリピン海プレートの動きの再現を試みた。

 

 その結果、フィリピン海プレートが大陸プレートの下に沈み込む運動に伴って、伊豆-小笠原海溝が西へ移動。このズレを埋めるように太平洋プレートの沈み込み位置(日本海溝)も西へ移動すると結論づけた。東日本も西へ移動するが、日本海の地下の岩盤は硬いため変形したりせず、東日本は東西方向に圧縮するという。

 

 日本で近年発生した巨大地震は、東日本大震災をもたらした海溝型地震とともに、1995年の阪神淡路大震災や2004年の中越地震など、内陸で発生する活断層型地震の脅威も大きい。

 

 高橋研究主幹は、巨大地震を引き起こす地殻変動の原因が、従来考えられていた太平洋プレートではなく、フィリピン海プレートの運動に結びついていたと明らかにしたことで、将来起こりうる地殻変動についても地質学的なシナリオを描くことができるようになると述べている。

 

 なおこの研究成果は、29日付の『地質調査研究報告』に掲載された。

日本列島周辺のプレート運動と頻発する内陸地震

日本列島周辺のプレート運動と頻発する内陸地震(産総研)

模型

フィリピン海プレートが北西に移動すると、東北日本は必然的に西に移動する。それに伴い、太平洋プレートの沈み込み位置(日本海溝)も西へ移動する(産総研)

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