防災と災害情報のニュースメディア
  • 感染症

恐怖!「脳を食うアメーバ」プールで感染か?29歳男性 致死率97% 米国

鼻から脳内に侵入して脳組織を破壊するアメーバ「ネグレリア・フォーレリー」(CDC)

 米国の29歳の男性が先月半ば、ひどい頭痛を訴えた6日後、脳が膨れ上がって脳死状態に陥ったニュースが、全米に衝撃を与えている。感染源とみられるリゾート地があるテキサス州の公衆衛生当局は、「脳を食べるアメーバ」と言われる「ネグレリア」に感染した可能性が高いとして調査に乗り出した。

 

 アメーバ性髄膜脳炎(PAM)に感染した男性の名前は、ファブリツィオ・ステイビルさん。ファブリツィオさんは先月16日、ニュージャージー州の自宅で芝刈りをしている最中にひどい頭痛を訴えて横になり、痛み止めを服用。翌日は月曜日だったが、頭痛が残っていたため、仕事を休んだ。

 

 その日の午後に息子を見舞った母親が声をかけたところ、意識がないので救急車で病院のICUへ。脳が膨れ上がり、高熱を発していたことから、細菌性髄膜炎だと診断され、鎮痛剤や神経学的治療を受けたものの一向に改善されず、その週の木曜日に検査の結果が判明。アメーバ性髄膜脳炎の治療を始めたものの手遅れで、翌21日、脳死状態に陥った。

 

 この病気を引き起こしたアメーバの正体は「ネグレリア・フォーレリー」。米疾病予防管理センター(CDC)によると、一般には「脳食いアメーバ」と呼ばれ、湖や川、温泉などの温かな淡水環境に生息。鼻から嗅覚をつかさどる神経を伝わって脳内に侵入して感染。致死率は97%以上で、発症してから1〜18日以内に死亡するという。

 

 ファブリツィオさんは直前にテキサス州のリゾート施設「BSRケーブル・パーク」という人工的に波を発生させる巨大プールで休暇を過ごしていたことから、地元のウェーコ・マクレナン郡公衆衛生局が水質調査を行うとともに、ほかに感染の疑いがある利用客はいないか調査に乗り出した。

 

 CDCによるとこのアメーバで汚染された水を飲んでも感染することはないが、米国内では1962年から2017年にかけて143人が感染。そのうち生き残ったのはわずか4人だという。ファブリツィオさんはこれらの生存者と同じ治療を受けたが、手遅れだった。というのも、アメーバ性髄膜脳炎の臨床症状は細菌性髄膜炎とよく似ているため診断が難しく、その間に症状が急速に進むためだ。

 

 家族は、息子と同じ悲劇を繰り返さないために、病気に関する知識を広めようと、ファブリツィオさんの名前を冠した基金を立ち上げ、募金への協力を呼びかけている。

 

 国立感染症研究所によると、ネグレリア・フォーレリーは日本国内にも生存が確認されており、これまでに4人がアメーバ性髄膜脳炎で死亡している。いずれも患者の死亡後にアメーバが見つかったことで判明した。

ファブリッツィオ

29歳の若さで突然発症し、脳死状態になったファブリツィオ・ステイビルさんの基金が創設された(The Fabrizio Stabile Foundation/gofundme)

感染源

感染源の疑いが持たれている「BSR ケーブルパーク」の人工的に波が発生する巨大プール(BSR Cable Parkのfacebook)

 あなたにオススメの記事

メニュー