防災と災害情報のニュースメディア
  • 火山

富士山「20年間に2度の噴火!」富士五湖から未知の活動の痕跡を発見

富士五湖で水深が最も深い本栖湖での掘削のようす(秋田大学ほか)

 1707年を最後に噴火していない富士山は、一度爆発が起これば、大量の火山灰が首都圏にも降り積もり、日本列島が大打撃を受けると危惧されている。秋田大学や東京大学の調査グループは、富士五湖の湖底の地層を掘削し、過去8000年間に知られざる2回の噴火があった事実を突き止めた。しかもこの噴火の間隔は、わずか20年間という短期間で起こっていたという。

 

 富士山が現在のような高い山に成長したのは5600年前から3700年前ごろの活動期だ。その後、3500年前から2300年前には山頂で爆発を繰り返し、以後は山腹で割れ目噴火を起こした記録が明らかになっている。最後の噴火は江戸時代の宝永大噴火だ。

 

 秋田大大学院のスティーブン・オブラクタ准教授と、東大大気海洋研究所の横山祐典教授らのグループは、富士五湖で水深が最も深い本栖(もとす)湖の湖底を深さ4メートルまで掘削して、土壌試料(コア)を採取。

 

 含まれる放射性炭素を使って、火山灰が降った年代を推定したところ、2458年前と2438年前の20年間に、2回の噴火が起きていたことが明らかになった。

 

 従来の研究で、有史以前の噴火活動は、3400年前の大沢噴火、3200年前の大室噴火、2300年前後の山頂噴火の3回と考えられていたが、これらについても正確な年代が推定できた。

 

 例えば、大沢噴火は3042年ごろと、実際には350年ほど後に起きていたことが判明。これらの火山灰が富士山の西側にあたる本栖湖で見つかったのは今回が初めてで、既知の3回の噴火で降った火山灰の範囲が従来の推定よりずっと広かったことも明らかになった。

 

 研究グループは、「毎年4700万人もの登山者が訪れる富士山は、噴火した場合の社会的影響が非常に危惧される活火山だ」として、今回の研究成果が、将来の噴火や災害の予測をするうえで重要な手がかりになると期待している。

火山灰

本栖湖の湖底から掘削した長さ4メートルの土壌試料(左の3本)に含まれる火山灰の地層を年代測定した結果、既知の3回の噴火に加えて、未知の2回の噴火の痕跡を発見

スコリア

既知の3回の噴火で飛散した火山噴出物の分布図

 あなたにオススメの記事

メニュー