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記録的豪雨の犯人は積乱雲のバックビルディング形成

夏の風物詩「積乱雲(入道雲)」が風上で連続して作られる現象が「バックビルディング形成」(撮影: tataquax)

 7月28日に山口・島根両県に被害をもたらした豪雨や、8月9日に秋田・岩手県で観測史上最大の降雨量を記録した豪雨と、今夏は「記録的な豪雨」が続いているが、気象庁では、こうした豪雨の原因として積乱雲の「バックビルディング形成」をあげている。

 

「バックビルディング形成」とは何か?

 

 夏の風物詩 積乱雲(入道雲)が「夕立をもたらす」と多くの人は、経験的に知っている。

 

 確かにそのとおりだが、実は1つの積乱雲の寿命は30分から1時間程度、雨の量もせいぜい数10ミリ。

 

 だから「夕立」は「通り雨」などと呼ばれて短時間で降り止む。

 

 しかし、バックビルディング形成が起きると、雨を降らせ、消滅しつつある積乱雲から冷たい空気が風上に流れ、それがまた新たな積乱雲を作り出す。

 

 つまり、バックビルディング形成が起きると、同じ場所の上空に、次から次へ積乱雲が作り続けられ、「夕立のような」状態が何時間も続くことになる。

 

 積乱雲が作り続けられるためには、「雲のもと」となる大量の水蒸気が供給されなければならないが、9日の秋田・岩手県での豪雨では、「梅雨期の西日本」と同じぐらいの湿った空気があった。

 

 これは前日に山陰沖の日本海にあった大量の水蒸気が、そのままの状態で北上したため。

 

 これまで国内の集中豪雨というと「梅雨時の西日本」が相場だったが、東北地方で今回発生したのは、異常高温で日本海の海面水温が平年より約1〜2℃高かったことも一因。

 

 海面水温が高いため、湿った暖かい空気が、水蒸気量をほとんど失うことなく緯度の高い地域にまで北上することができるようになった。

 

 「温暖化」が進み、異常高温が続けば、これからは東日本・北日本でも「大雨による被害」が頻発する可能性がある。

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