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南海トラフ「紀伊半島沖でM5.4」海洋プレート内で横ずれ断層型地震

2018年10月28日〜12月3日にかけて南海トラフ周辺で起きた地殻変動(気象庁)

 

 今後30年以内に7〜8割の確率で発生すると言われる南海トラフ地震について、気象庁は今月7日、定例の検討会を開き、「紀伊半島沖のプレート境界深部でスロースリップが継続している」という分析結果を明らかにした。先月、紀伊水道で起きたマグニチュード(M)5.4はフィリピン海プレート内で起きた「横ずれ断層型地震」だったという。

 

 和歌山県沖の紀伊水道では11月2日、深さ44キロを震源とするM5.4の地震が発生。この影響で、和歌山県の有田市などで震度4、近畿から四国、中国地方の広い範囲で震度3〜2を観測した。気象庁によるとこの地震は、フィリピン海プレート内で起きたもので、岩盤同士が横にずれ動く「横ずれ断層型」であることが判明。

紀伊水道では過去にM6.8も…

 紀伊水道では11月2日のM5.4の後も、5日に再びM4.6〜3.6、最大震度3の余震が起きているほか、和歌山県や徳島県など周辺地域でもM3.5以上が相次いでいて、今月3日には和歌山県北部のフィリピン海プレート内部の深さ48キロを震源とするM4.0が起きたばかり。

 

 1997年10月以降、今回の地震の震源付近ではM4.0クラスの地震はときどき発生していたが、M5.0を超えたのは今回が初めて。ただ時代を遡ると、1938年1月にはM6.8、1948年6月にはM6.7の地震が起きていて、いずれも建物の倒壊や死傷者などの被害を出している。

和歌山県沖の紀伊水道で1997年10月から今年11月30日にかけて発生したM2以上の地震(気象庁)

原因はスロースリップ

 

 さらにこの地震が起きた前後には、四国東部から中部の一帯と、紀伊半島西部で、周波数が低い微小な揺れが長期にわたって続く「深部低周波地震」が発生するとともに、地殻変動も観測されていたことがわかった。

 

 これらは、プレート境界の断層がゆっくりと動く「スロースリップ」が引き起こしている可能性が高いが、四国東部でスロースリップが起こるのは、約8カ月ぶりだという。

 

 これらの観測結果から、気象庁は、「南海トラフ沿いでM8〜9クラスの大規模地震が発生する可能性が、平常時と比べて相対的に高まったとは考えられない」と結論づけた。

四国東部〜中部、紀伊半島西部で観測されたスロースリップ(気象庁)

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