防災と災害情報のニュースメディア
  • 宇宙

「目覚めなかった…」火星探査車オポチュニティ 15年の活動に幕を下ろす(動画)

NASAの火星探査機オポチュニティのシルエット(2004年7月撮影/NASA)

 火星で砂嵐が発生して以来、自家発電ができなくなり、休眠状態に陥った米国の探査車オポチュニティは、最後の通信指令もむなしく、15年間の活動を終了することになったと、米航空宇宙局(NASA)が発表した。

 

 当初の計画では、90日間(火星日)かけて、火星表面を約1000メートル走行するよう設計されていたが、延長を何度も繰り返し、火星で活動した探査車としては最長記録を打ち立てた!

911テロ犠牲者の象徴を背負って

 オポチュニティが火星の赤道近くに位置するメリディアニ平原で探査を開始したのは2004年1月25日。NASAが打ち上げた探査車のうちの1機で、オポチュニティ到着の3週間前には、1号機のスピリットが平原の反対側に着陸していた。

 

 この2機には、2001年9月11日に発生した米同時多発テロ事件で倒壊した世界貿易センターに使われていた金属が積まれており、火星探査に対する米国民の期待の象徴的存在だった。

 

 両機ともこれまでに、何度も砂嵐に見舞われたり、砂丘に車輪をとられて身動きができなくなるなどのトラブルに見舞われたが、その困難をくぐり抜け、探査計画を続行。しかしスピリットは火星の南半球が冬を迎えた2010年に冬眠モードに入り、翌年以降も通信が回復することが無かったため、ミッションを終了。

 

火星探査の先駆者だ

 一方のオポチュニティは2014年、走行距離が40キロを突破し、地球外での探査車による最長走行距離の記録を塗り替えた。ところが、2018年6月から数カ月間続いた観測史上最大規模の砂嵐の影響で、太陽光発電ができなくなり、地球との通信が途絶えた。

 

 NASAは日本時間14日未明、カリフォルニア州モハヴェ砂漠にあるゴールドストーン深宇宙通信施設の直径70メートルの巨大アンテナを使ってオポチュニティに通信を試みたが、応答は帰ってこなかった。15年間の活動を終えた瞬間だった。

 

 ジム・ブライデンズディーンNASA長官は、「そう遠くない未来に宇宙飛行士が火星を歩く日がやってきます。それはすべて、オポチュニティたちが、先駆者となって足跡を残した働きのおかげなのです」と働き者の探査車の労をねぎらった。

オポチュニティの足跡(NASA/JPL)

 あなたにオススメの記事

メニュー