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「寄生虫ダイエット」世界で初めて科学的に証明 国立感染研

20世紀最高のソプラノ歌手として知られるマリア・カラス(左)は、寄生虫(右)を飼っていた?(画像はWikimedia Commons)

 20世紀最高のソプラノ歌手として讃えられたマリア・カラスは、腹にサナダムシを飼っていて、体重が106キロまで太ったときも1年で55キロまで減量したという噂があるほど、古くからサナダムシを体内に寄生させるとダイエット効果があると言われている。

 

 国立感染症研究所と群馬大学などのグループは、マウスを使った実験で、ある種の寄生虫によって体重増加が抑えられることを世界で初めて科学的に実証した。

高脂肪の食事で太らせたマウスの実験

 免疫学に関する米科学誌『インフェクション&イミュニティ』に8日付で掲載された論文によると、感染研の久枝一部長と、群馬大大学院の下川周子助教は、脂肪分が多い食事を1カ月間与えて太らせたマウスの小腸に蠕虫(ぜんちゅう)を寄生させる実験を行った。

 

 その結果、寄生虫のいない健康なマウスとエサの量は変わらないのに、体重の増加が抑えられ、脂肪量のほか血液中の中性脂肪やコレステロールなどが減少した。

寄生虫がいるマウスは体重が減り始めた(群馬大)

交感神経が活性化して脂肪燃焼しやすく

 さらに、寄生虫がいるマウスでは、糞の中に「エシェリキア属」と「バシラス属」という腸内細菌が多く検出されることもわかった。

 

 これらの腸内細菌は、神経伝達物質の「ノルアドレナリン(ノリエピネフリンとも)」の血液分泌量を増やすことで、交感神経を活性化させ、脂肪を燃焼させて痩せやすい体を作っていることが明らかになった。

 

 寄生虫が体重増加を抑制するメカニズムを世界で初めて科学的に証明した今回の研究成果は、世界中で増加している肥満症や、肥満が引き起こす高血圧、高血糖、動脈硬化などのリスクや糖尿病、心筋梗塞などの病気に対する治療法に結びつくとして注目されている。

腸内細菌が増えたことで、神経伝達物質が増加し、脂肪燃焼しやすい体が作られたと考えられる(群馬大)

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