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太陽活動「2019年後半〜来年」極小期へ 「マウンダー極小期」の再来は?

4月10日の太陽(左側に黒点がある/NASA-SDO)

 

 太陽は、黒点の増減やフレアの発生などを繰り返しながら、約11年の周期で活動している。米海洋大気庁(NOAA)は今月5日、「今年後半から2020年初めにかけて活動極小期を迎える」という予測を発表した。

 

 2009年の暮れごろに始まったと考えられている現在の太陽周期は、「第24周期(サイクル24)」と呼ばれており、最終局面に入っている。

サイクル24まもなく極小期へ

 太陽活動に周期があることは、ドイツの天文学者ハインリッヒ・シュワーベが17年間の観測の末、黒点の数が一定の周期で増減することを発見。最初に黒点を観測したガリレオの時代までさかのぼって計算した結果、平均期間が約11年であることが判明した。

 

 しかし、最近の研究では周期には9〜14年とばらつきがあることがわかっており、黒点数が増えて、太陽が出す放射エネルギーが強くなる時期を「極大期」、その逆を「極小期」と呼び、いずれもその時期や強さを予測するのは非常に難しいことから、世界各国の研究機関が日々、太陽活動の推移を監視している。

現在の太陽活動周期はまもなく終わる(NOAA)

第24周期の活動は…

 そのうちのひとつ、ベルギー王立天文台の「世界データセンター(WDC-SILSO)」によると、第24周期では、2012年2月に最初の活動のピークを迎えたのち、2014年4月に極大期に到達。

 

 しかし、前回の第23周期の極大期(2000年7月)に比べれば、黒点数は3割ほど少なかったという。

約11年周期で黒点数が増減を繰り返している(国立天文台太陽観測科学プロジェクト三鷹太陽地上観測HPより)

 NASAやNOAAと共同研究を進める「宇宙システム研究所(SSRC)」の太陽物理学者リサ・アップトン(Lisa Upton)博士は今月5日、「今年終わりから2020年にかけて第24周期の極小期に突入する」という予測を発表した。

 

 そのうえで、「第25周期への移行は遅れる可能性が高く、次の極大期は2023〜2026年ごろになる」という考えを示した。アップトン博士によると、次のサイクルでも極大期の活動は弱くなって、黒点数は平均95〜130にとどまると予測。過去のサイクルでは、140〜220の範囲で推移していたことから、太陽活動はかなり低下する見通しだ。

太陽で起こる爆発(フレア)現象のアニメ(NASA’s Solar Dynamics Observatory/Scientific Visualization Studio/Tom Bridgman, Lead Animator)

マウンダー極小期の再来はあるのか?

 とはいえ、太陽活動の低下によって、地球に氷河期をもたらす心配は無用だ。西暦1645〜1715年の70年間は、11年周期が失われるほど黒点数が激減。太陽学者エドワード・マウンダーにちなんでマウンダー極小期と呼ばれるこの時期は、世界各地でミニ氷河期を迎え、飢饉がひんぱんに発生、疫病によって多数の死者を出した。江戸時代の日本でも、農村でたびたび百姓一揆が発生した記録が残っている。

 

 マウンダー極小期の後にも1790〜1824年にかけて太陽活動が低くなるダルトン極小期があった。従来の研究で、数十年間続く太陽活動の低下はおよそ2000年に1度の割合で発生したことが指摘されているが、その規模や継続時期はバラバラで、千年以上にわたって発生しなかったこともあったという。

 

 

 アップトン博士は「第21周期から第24周期にかけて太陽活動は低下傾向が続いていましたが、次のサイクルでは24周期と同程度になると考えられることから、マウンダー極小期の再来を心配する必要はありません」と話している。

今年2月は太陽の黒点がほぼゼロの日が続いた(NASA SDO)

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