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まるでそうめん!火星に住んでいるのは こんな生物?NASA

そうめんのような微生物の正体は…(Bruce W. Fouke)

 英国の作家H・Gウェルズが120年前に書いたSF小説『宇宙戦争』(1898年)によって、私たちは長い間、火星人と言えば頭が大きく、手足の細いタコのような体を持っているものと想像してきたが、米航空宇宙局(NASA)の宇宙生物学チームはこのたび、「地球外生命体は、そうめんのような細長い糸のような姿をしているかもしれない」という研究成果を発表した。

イエローストーンのマンモス温泉で調査

 科学誌『アストロバイオロジー(Astrobiology)』に今年4月30日に掲載された論文によると、NASAの研究者でイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の地質生物学者ブルース・フーケ教授(Bruce W. Fouke)は、米中西部のイエローストーン国立公園の「マンモス・ホット・スプリングス」と呼ばれる温泉で調査を実施。

 

 イエローストーン国立公園は、巨大な間欠泉がいくつもあることで有名だが、その北西部に位置するマンモス・ホット・スプリングスは、流れ出る温泉に含まれている「トラバーチン」と呼ばれる石灰成分が長い年月をかけて堆積して、独特の階段状の風景を作りだしている。

 

イギリスのSF作家、H・G・ウェルズが1898年に発表した『宇宙戦争』の表紙に描かれているタコのような火星人の姿(Wikimedia Commons)

ヌルヌルした髪の毛のような微生物

 フーケ教授のチームは、水温65〜72℃、pH6.2〜6.8の弱酸性の熱湯があふれ出している温泉に注目し、岩にはりついている微生物群のゲノムとタンパク質について詳しく分析した。

 

 その結果、ヌルヌルした微生物の正体は、そうめんやパスタみたいに糸のような形をしていて、硫黄を食べて増殖するという硫黄酸化細菌であることがわかった。

温泉に含まれる石灰成分が堆積して、階段状の地形を作っているマンモス・ホット・スプリング(Wikimedia Commons)

1日5ミリ以上も伸びる

 硫黄自体は世界中の温泉に存在するありふれた鉱物だが、この微生物は現時点ではイエローストーンにのみ生息が確認されているだけで、大気中にほとんど酸素がなかった25億年前から進化したものと考えられている。

 

 そのため、海底火山や温泉のように酸素が極めて少ない熱水でも生きることが可能で、マンモス・ホット・スプリングのように硫黄が豊富な温泉ならば、糸の長さが1日に5ミリ以上と、一般的な温泉よりも何億倍も速く成長するという。

硫黄が豊富な温泉だと、糸の長さは1日5ミリ以上伸びるという(Bruce W. Fouke)

 フーケ教授は「この微生物が進化した当時の過酷な地球環境を考えると、地球外生命体もこのような姿をしている可能性がある」と指摘したうえで、今回の発見が火星など地球外生物の探査に役立つものと期待を寄せている。

フーケ教授(イリノイ大学の本人の研究室のホームページより)

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