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「銀河団衝突の瞬間」初めてとらえた!宇宙の構造解明へ 理研

米国のX線天文衛星チャンドラがとらえた銀河団衝突の瞬間(理化学研究所)

 

 宇宙は、約138億年前に「ビッグバン」によって誕生し、その後も銀河団が衝突と合体を繰り返して成長したと考えられている。

 

 理化学研究所などの国際共同研究グループは8日、世界で初めて二つの銀河団が衝突する瞬間をとらえることに成功した!

宇宙の成り立ちのカギを握る

 宇宙では数百億から数千億の星が集まって銀河が形成され、さらにその銀河が何百も集まって銀河団が形成される。銀河団同士が衝突・合体を繰り返すことで宇宙が成長してきたと考えられているが、そのスパンは、人間の寿命よりはるかに長いため、観測は不可能だ。

銀河団衝突の模式図。球の色は銀河団プラズマの温度をあらわしており、赤は高温、青は低温領域、緑の矢印は銀河団/衝撃波の進行方向。衝突の瞬間、垂直な方向へと衝撃波が走るが、衝突が進むと、中心部に高温領域が形成され、衝突軸に沿って衝撃波が形成されると考えられている(理研)

 

 理研のリィイ・グー基礎科学特別研究員とオランダ宇宙研究所(SRON)、豪州カーティン大学などの国際共同グループは、日米欧のX線天文衛星と、欧州やインドの電波望遠鏡を使った観測で、地球から約12億光年離れた場所にある、二つの銀河団が衝突し始めていることを裏付ける証拠をとらえることに成功した。

衝突し始めている二つの銀河団(理研)

7000万度の高温プラズマを突き止める

 具体的には、X線観測データによって銀河団の中間に広がる7000万度の高温プラズマの存在を突き止め、その先端では温度や密度が急激に下がることがわかった。これはプラズマの中で衝撃波が存在していることを示す現象で、過去にも、衝突がかなり進んだ段階の銀河団で報告されているという。

 

 これまでのシミュレーションで、垂直に走る衝撃波は、銀河団同士がまさに衝突した瞬間に発生すると考えられてきた。研究グループは、今回の発見が銀河団の成長過程だけでなく、宇宙の構造を解明するうえでも役に立つと考えている。

 

 なおこの研究成果は、英科学誌『Nature Astronomy』電子版に掲載された。

衝突の瞬間に発生した衝撃波(理研)

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