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阿蘇山噴火 2016年熊本地震との因果関係を解明!九州大

2016年10月8日に噴火した阿蘇山(気象庁)

 熊本県の阿蘇山では、先月26日に中岳第一火口が噴火して以来、現在も活発な火山活動が続いている。九州大学大学院の研究グループはこのたび、2016年の熊本地震とその半年後に起きた阿蘇山噴火の因果関係を解明した!

 

 熊本地震は2016年4月14日のマグニチュード(M)6.5に続いて、二日後の16日に今度はM7.3の地震が発生。熊本県益城町を中心に最大震度7の揺れが連続して観測されたという、日本の観測史上初めてのケースだ。

 

 阿蘇山で噴煙の高さ1万メートルを超える爆発的噴火が発生したのは、それから約半年後の10月8日。当時、中岳第一火口の噴火は36年ぶりとあって、半年前の地震による影響を懸念する声が高まった。

地下のマグマや熱水が劇的に移動

 九州大大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の辻健教授は、2015年1月から2016年12月までに阿蘇山の中岳で発生した約1万8000地点の火山性微動の位置を正確に特定する手法を開発。(辻の「しんにょう」は点がひとつ)

 

 その結果、火山の地下1キロ地点で発生していた火山性微動の位置が、熊本地震をきっかけに東側(地図上の青い点の分布)から、西側(赤い分布)へ突然移動。さらに、10月の噴火前に、西側から、再び元の東側へ戻った事実をつきとめた。

火山性微動の時空間変化(赤:2016年4月16日~9月7日)、青は2015年1月~2016年4月16日と2016年9月8日~同年12月31日まで)(写真は阿蘇ジオパーク推進協議会)

噴火予知にも役立つ手法を開発

 火山性微動は、地下のマグマや熱水が移動したり、沸騰して気泡が発生することによって発生すると考えられており、火山性地震に比べ、継続時間が長いのが特徴だ。

 

 今回とらえられた急激な変化は、地震直後や噴火前に阿蘇山内部のマグマや地下水の動きが大きく変わり、噴火を誘導したことを明らかにしている。研究グループは「火山性微動の位置を正確にとらえる手法によって、将来の噴火予測に利用できる可能性がある」として、防災情報に結びつけたいと話している。

 

 なおこの研究成果は、米国の科学誌『Geophysical Research Letters』に掲載された。

 

左:阿蘇山中岳第一火口を上空から見た俯瞰図。西側には布田川断層が伸びている。右上:辻

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