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台風16号のたまご フィリピン東方沖に熱帯低気圧発生!モンスーン型か?

フィリピンの東方沖に発生した熱帯低気圧(気象庁)

 気象庁によると、11日午前6時、フィリピンの東方沖に新たな熱帯低気圧が発生した。等圧線の範囲が非常に広いことから、比較的珍しい「モンスーン型低気圧」の可能性が高い。

 

 熱帯低気圧の中心気圧は1000ヘクトパスカル、中心付近の最大風速15メートル、最大瞬間風速は23メートルで、今後次第に発達しながら、24時間以内に台風16号「ペイパー(マカオ語で魚の名前)」になると予想される。

モンスーン型の熱帯低気圧とは?

 天気図を見ると、等圧線の範囲は非常に広く、衛星写真でも大きな雲域が確認できる。赤道周辺の熱帯では細長い低気圧地帯が停滞することが多く、これを「モンスーントラフ」とか「熱帯収束帯」という気象用語で呼ばれる。

 

 気象学では、大気が乱れ、刻一刻と変化する現象を「擾乱(じょうらん)」と表しているが、今回の熱帯低気圧は、モンスーントラフから発生した擾乱=モンスーンジャイアである可能性が高い。

等圧線の範囲はかなり広範囲だ(気象庁)

 日ごろ聞き慣れない言葉だが、ジャイアは回転という意味で、米国の気象学会の定義では、「北大西洋西部の夏のモンスーン循環で、①非常に大規模な(最も外側の等圧線は直径2500kmに達する)ほぼ円形の低気圧の渦で、②雲の帯(バンド)は中心渦から離れた場所に存在し、③寿命が約2週間と比較的長い」としている。

 

 モンスーンジャイアは、2014年7月にフィリピンの東海上で発生した台風12号でも見られたが、この台風も発生初期から中心付近の雲域が通常の台風のように発達せず、中心から離れた場所で対流雲が発達。2014年12号も移動速度が遅く、ゆっくりした速度で日本に接近・上陸・通過したため、高知県では3日間の降水量が1000ミリを超えて、3500棟以上の家屋の浸水被害があった。

 

 今回、発生した熱帯低気圧は、現在は北東方向に進んでいるが、あしたには進路を西寄りに変えると予想される。今後も動向に注意してほしい。

 

 

気象衛星ひまわりの観測画像(気象庁)

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