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iPhoneケース?2000年前の古代墓「ソックリ」の埋葬品 中央アジア

iPhoneケースそっくりの埋葬品が古代の墓から見つかった(HMC RAS / Pavel Leus)

「ロシアのアトランティス」と呼ばれる中央アジアのトゥバ共和国で、約2100年前の古代の墓から、iPhoneケースにそっくりの宝石を散りばめた装飾品が見つかり、発掘者たちを驚かせている。

 

 埋葬品が見つかったのは、モンゴルとの国境沿いに位置するロシア連邦トゥバ共和国のアラ-テイ(Ala-Tey)遺跡。この遺跡は、紀元前3世紀ごろから1世紀にかけて、遊牧騎馬民族がモンゴル高原で一大勢力を築いた「匈奴(きょうど)帝国」のもので、同時代に生きた秦の始皇帝や漢民族からも恐れられたという歴史を持つ。

黒いジェットの表面に宝石を象嵌

 ロシア科学アカデミー物質文化歴史研究所(HMC-RAS)の考古学者パヴェル・レウス氏(Pavel Leus)らの調査団は、約2100年前に埋葬された女性の墓を発掘中、遺骨の腰の部分から幅9センチ、長さ18センチの長方形の副葬品を発見。

 

 ジェットと呼ばれる黒い石の表面に、赤いカーネリアンやトルコ石、白蝶貝の玉がはめ込まれていることから、当時の社会的地位が高い女性が、腰帯の装飾品(バックル)として使っていた可能性が高いという。

ジェットは木が化石化したもの。表面に赤や水色の宝石がはめこまれている(HMC RAS / Pavel Leus)

遊牧騎馬民族の女性の墓

 この近くには、漢王朝時代の五銖(ごしゅ)銭が見つかったことから、少なくとも2137年前のものである可能性が高いという。

 

 繊細な象嵌(ぞうがん)細工がほどこされたバックルは、iPhoneケースそっくり。パヴェルさんたちがこの発見をしたのは3年前の2016年だが、最近になって画像をインスタグラムに投稿したところ、急激に注目されるようになった。

発掘作業のようす(HMC RAS / Pavel Leus)

水の中の遺跡

 

 というのも、アラ-テイ遺跡は、世界5位の長さをほこるユーラシア大陸最大のエニセイ川沿いにあるため、年間を通じて洪水が起きやすく、5月末〜6月前半の短い乾季を除くと、常に貯水池の底に沈んでおり、発掘期間が限られているという。

年間を通じて水の底に沈むアラ-テイ遺跡。水が引いた5〜6月にボートで上陸して、発掘する。埋葬品を狙った古代の盗賊もここなら盗めない(HMC RAS / Pavel Leus)

どこから来たのか古代のロマン

 モンゴルとの国境近くには、テレジン(Terezin)というもうひとつの遺跡も発見されており、調査チームはふたつの墓地からこれまでに100を超える副葬品を発掘。

 

 このうち3つの墓でジェット製ベルトが見つかっているが、この時代にジェットを使った細工は非常に珍しいため、どこから持ち込まれたものなのか、引き続き調査を続けていくとしている。

「完全にスマホに見えるでしょ?」とバックルを耳に当てるパヴェルさん(HMC RAS / Pavel Leus)

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