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イランにも万里の長城?ザグロス山脈に長さ115kmの壁発見

今年7月、DigitalGlobe社の商用地球観測衛星WorldView-2がとらえたイランの壁の遺跡。中央下の赤い矢印の場所(©2019 Maxar Technologies)

 中国の万里の長城は、「宇宙から見える唯一の人工物」として知られ、2004年には国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が、180ミリレンズをつけたデジタルカメラで、内モンゴル自治区上空からその姿をとらえるのに成功している。イランの考古学者が最近、同国西部国境沿いのザグロス山脈のふもとで古代の石積みの壁を発見した!

 

 英ケンブリッジ大学出版局が発行する『考古学誌(Antiquity)』に今年8月掲載された論文によると、古代の壁が発見されたのは、イラクとの国境に近いイラン西部ケルマンシャー州サルポル・エ・ザハブ郡。

紀元前4世紀から西暦6世紀に建造

 英ケンブリッジ大学出版局が発行する『考古学誌(Antiquity)』に今年8月掲載された論文によると、古代の壁が発見されたのは、イラクとの国境に近いイラン西部ケルマンシャー州サルポル・エ・ザハブ郡。

 

 同州のラーズィー大学の博士課程で考古学を研究するサジャド・アリバイジ(Sajjad Alibaigi)氏によると、壁は紀元前4世紀から西暦6世紀にかけて建造されたと推定されていて、壁があったと考えられる場所には、多くの石や石膏モルタルが見つかっている。

壁というより小高い土手に見える(©Antiquity Publications Ltd.,2019)

侵略者から防御するための壁?

 

 この時代は、紀元前3世紀半ばにセレウコス朝シリアから独立した遊牧民が築いたパルティア帝国(アルサケス朝)から、次のササン朝ペルシャ(西暦3〜7世紀)に変わるころで、壁が何の目的で作られたかは不明だが、当時、両帝国では築城技術や都市の開発、灌漑システムが急速に発展を遂げたため、近隣の民族の侵略を防ぐために建設された可能性が高いという。

 

 現在見られる壁は破壊され尽くされていて、万里の長城と比べれば、当時の姿を偲ぶ方法はないが、その小高い土手のような形状から、当時は幅4メートル、高さ3メートルほどだったと推測される。

 

 イランではこうした壁の発見は初めてではなく、北部と北東部の国境近くにも古代の長壁が見つかっている。アリバイジさんらは、引き続き調査を行い、建造方法や詳しい年代の解明を目指すと話している。

壁の調査のようす(©Antiquity Publications Ltd.,2019)

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