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新型コロナ「58歳女性の脳が壊死」米ミシガン州で世界初

58歳女性の脳のMRI画像(Radiology)

 新型コロナウイルスの感染が全世界中で広がるなか、肺炎症状だけでなく、味覚や嗅覚などの異常も報告されるようになったが、米国の研究で、脳の一部で炎症や壊死が進行する「急性壊死性脳炎」を発症していたことが明らかになった。

 

 米ミシガン州デトロイトのヘンリー・フォード・ヘルスシステムの神経科医エリッサ・フォーリー博士らの医療チームが放射線医学誌『ラジオロジー(Radiology)』に先月31日付で発表した症例報告によると、航空会社に勤務する58歳の女性は先月19日、パニック障害や方向感覚の欠如、意識不明などの状態で同病院に救急搬送された。

インフルエンザ脳症を疑ったが…

 担当医はインフルエンザ脳症による意識障害を疑って、ウイルス検査を行ったが陰性。さらに脳脊髄液を採取して、ヘルペスや帯状疱疹、西ナイル熱などのウイルスについても調べたが、3日かけても原因は一向にわからなかった。

 

 そこで、米疾病予防管理センター(CDC)が開発した検査キットを使って調べたところ、新型コロナウイルスの陽性反応が確認されたという。

ヘンリー・フォード・メディカル・センター

脳内出血も

 同時に、頭部のCTスキャン検査を実施したところ、脳の中心部分にあって、視覚や聴覚、運動などをつかさどる「視床」に損傷が見つかり、壊死が起きているのが判明。さらに脳のMRI検査の結果、側頭葉の血管が破裂して出血しているのも見つかった。 

 

 当初、急性脳炎を疑っていた医療チームは、免疫機能が暴走して、自身の体にダメージを与える「サイトカインストーム」を起こしていると判断。サイトカインとは、白血球など免疫系の細胞から分泌されるタンパク質で、ウイルスや病原体の増殖を抑えるなどといった役目を果たす。

脳の中心部で出血も起きていた(Radiology)

サイトカインストームとは

 しかし、免疫系のバランスが乱れて、サイトカインの制御ができなくなると、サイトカインストームといってサイトカインの過剰分泌を起こし、ひどい場合は死に至ることもあるという。

 

 ヘンリー・フォード・ヘルスシステムのチームは「新型コロナウイルスが原因で、急性壊死性出血性脳症を起こした初めての症例だ」として、現場で働く臨床医や放射線医は、この症状の進行に注意するよう呼びかけている。

免疫系の暴走で自身の細胞を傷つけることがある(Radiology)

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