今日は『都バスの日』。
今から90年前、1924年(大正13年)の今日、1月18日に当時の東京市電気局が乗合バス事業を開始したことに由来している。
前年の1923年(大正12年)の9月1日に発生した関東大震災で、東京の市電は壊滅的な打撃を受け、復旧に相当な時間がかかることが予想された。
このために震災から4ヶ月半後に、急きょスタートしたのが都バス事業だった。
現在も、電車が止まると、「バスによる振替輸送」なんてことになるが、都バスは最初から設立目的自体が「代替輸送」だった。
最初に導入された車体は、明治初期の乗合馬車(円太郎と呼ばれていた)を連想させるフォードT型の流用だったので、「円太郎バス」なんて呼ばれた。
以来90年、都民の足となり続けた都バスだが、特に1990年代以降は、東京メトロ、都営地下鉄などの新設・延長により利用者は減少、大幅に路線を廃止する一方で、「アクセスラインバス」、「ダイレクトバス」など、ニュータイプのバス路線を作るなど、サービスの向上に腐心してきた。
昨年12月20日からはバスの中で「docomo Wi-Fi」を使えるサービスも始め、今年3月末までには全系統で提供されるという。
さらに、昨年12月21日からは六本木 - 渋谷間で24時間営業も始めた。
徳州会からのカネの問題で辞任した猪瀬直樹前都知事が、昨年春に突然決めた同知事の「置き土産」。
都バス24時間営業について、猪瀬前知事は都議会で、こう答弁している。
「東京ジャイアンツ(のゲーム)は夜6時に始まるが、ニューヨークヤンキースは夜7時に始まる。ニューヨークメッツは夜8時に始まる。サントリーホール(のコンサート)は夜7時に始まるが、ブロードウェイは夜8時に始まる。そういうふうに『時間の市場』がまだあるだろうと……」
だから、まずは試験的に24時間バスを走らせてみるのか……。
なんとなく「バブルよもう一度」的なイメージで、エコな感じもしないが、一つだけ言えることはある。
そもそも関東大震災での代替輸送機関として作られた都バス。
だから首都直下地震などの大災害を想定すれば、震災後比較的早い時期に稼働する公共交通機関としての意義は大きい。