かつては「死に至る病」として最も恐れられていた性病「梅毒」。
1943年にペニシリンによる治療法が確立して以来、少なくとも先進国では、幾度か「小流行」こそあったものの急速に減少、「過去の病気」になりつつあった。
しかしここにきて国内の梅毒患者が急増している。
国立感染症研究所によると、2012年に875人だった梅毒報告数が昨年(2013年)には1.4倍増の1226人。
国内患者の80%を占めるのは男性で、同研究所によると、近年、欧米では男性同性愛者を中心に梅毒の感染が広がっているとのこと。
国内でも10〜40代の男性同性愛者間で感染が急増しているが、HIV感染がほぼ横ばいなことを考えると、梅毒だけが急増する理由は謎が残されている。
梅毒は「梅毒トレポネーマ」というスピロヘータの一種が病原体で、3週間、3ヶ月、3年と症状が進行し、最後は脳や中枢神経を冒されて死にも至るが、現在はペニシリンGの大量投与などで治療が可能。
100%完全とは言えないが、予防にはコンドームの使用が有効とされている。