東京女子医科大学病院(東京都新宿区)は4日、「予期しない死亡事例の発生について」との文章をホームページ上に掲載し、手術後の2歳児が急死したことを明らかにした。
同告知によると、2月18日に実施した頸部手術(リンパ管腫ピシバニール注入術)後の全身麻酔・鎮静剤を使った集中治療管理中の21日(術後3日)に、患者の2歳児が急性循環不全となり急死したとのこと。
死亡に至る経過など詳細については説明されていないが、現時点では鎮静に用いた「プロポフォール」が作用したことが疑われたとしている。
「1%プロポフォール注『マルイシ』」を製造している丸石製薬の「1%プロポフォール注『マルイシ』の適正な使用のための情報」では、「小児(集中治療における人工呼吸中の鎮静)には使用しないで下さい」と明記されており、今回の事故は医療ミスの疑いもある。
プロポフォールについてはまれだが、集中治療下の幼児などに「プロポフォール注入症候群」と呼ばれる副作用が発生し、酸性物質が体内に蓄積する「代謝性アシドーシス」や多臓器不全、徐脈性ショックなどを起こし心停止するケースが報告されており、子どもに対する使用法は現在のところ確立していない。