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防災歳時記3月23日 「死刑になりたい」土浦連続殺傷事件

   「スプリー・キラー」という言葉をご存知だろうか。


   「spree」とは「お祭り騒ぎ、浮かれ騒ぎ」を意味するが、スプリー・キラーはアメリカの犯罪統計で「短期間に複数の場所で殺人を行なった犯人」を指す。


   そして、日本でも今から6年前の2008年の今日3月23日、一人のスプリー・キラーが現れた。「土浦連続殺傷事件」と聞けば、記憶にある方も多いだろう。JR荒川沖駅で見ず知らずの通行人を次々に刺した金川真大死刑囚(当時24歳)である。

   金川はこの2日前、土浦市内で72歳の男性を殺害したとして茨城県警に指名手配されていた。しかし、金川は遠くに逃げるでもなく、都内で髪を切るなどして変装。再び土浦市に戻ってきたのだ。県警に「早く捕まえてごらん」と挑発するような電話さえかけたとされる。


   そして、犯行当日。午前11時ごろから駅構内で8人を次々と刺した金川は、その足で近くの交番まで行き、備え付けの電話機から「私が犯人です」と自ら通報し、駆けつけた警察官に現行犯逮捕されている。


   いったい金川は何が目的だったのか……。白昼起こった凶悪事件に恐怖を覚えた人々は、しかし、金川の語った”動機”にさらに度肝を抜かれることになる。


   「死刑になりたかった」
   「自殺は自分の体に痛みを加える。そんな勇気がなかったので殺人をした」


   この身勝手な理由で、2人が亡くなったのである。


   金川はその後も反省や謝罪の言葉を口にすることはなく、水戸地裁で死刑判決が下されると、弁護人の控訴さえ自ら取り下げ、2010年1月5日に死刑が確定。それから3年後の2013年2月21日、刑は執行された。

新聞各紙は金川真大死刑囚らの刑執行を一面で取り上げた

   この事件以降も、およそ常人には理解できない理由で通り魔的な犯行に走るケースは相次いでいる。同じ年の6月8日に起きた秋葉原連続殺傷事件の加藤智大被告はこの事件を参考にしたと話し、標的は「誰でもよかった」と口にした。


   「死刑」を目的に凶刃をふるうスプリー・キラー。死刑制度の是非を巡る議論はあるが、いったいどうすれば彼らのような「殺人者」が生まれるのを止められるのだろう。


   私たちはその「答え」をまだ見出せずにいる。

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